1.はじめに

(1)合併の必要性
1)行政能力の向上と総合的・計画的施策展開
  地方分権の推進による権限の委譲が進展すると予想される中、地方自治体にはより一層の行政能力の向上が求められている。
 その一方で、昨今の経済不況に伴い厳しい財政状況に置かれている各自治体は、財政構造の再編、公共投資の見直しが迫られている。  こうした状況を踏まえると、地方分権の担い手として、質の高い行政サービスを提供していくため、5町が合併して市制を施行することにより、各分野の行政水準を向上させ、強力な行政組織を構築していく必要がある。
 また合併を行うことで、より広域的な視点で、基盤整備や公共施設の整備を、適正且つ効率的に運営していく必要がある。

2)多様化・高度化する住民ニーズへの対応
  我が国はこれまで経験したことのない、少子高齢化社会を迎えており、保健・医療・福祉に対する行政需要は、今後さらに増大してくると考えられる。また、個人個人の価値観を重要視したライフスタイルも定着し、それに伴う多種多様で、より高度な施策展開が期待されている。
 本地区はこれまでも、西日本有数の設備を誇る音楽施設や全国でも先進的なCATVを活用した医療システムなど、高度な特性を有した施策展開が図られてきた。
 これらの特性を有するまちが合併することで、より多様で高度なサービスを5町全域の住民が享受する機会が広がる。また、これら先進的事例を柱にし、ノウハウを共有することによって、多様化する行政ニーズに対応した施策展開を図っていく必要がある。

3)地域の一体化による地域間競争力の向上
  地域の特色を活かしたまちづくりが全国的にうたわれる中、地域間競争はますます激化すると予想されている。都市としての魅力は産業・観光活動の発展に大いに寄与するだけでなく、住民が地域に対する愛着を持つという意味から大変重要である。
 5町はその近接性、地形的一体性から、古くから経済・文化・生活の面で強い結びつきを持ってきた。そのため、歴史資源の豊富さ、特色ある自然資源など多くの共通する魅力を有している。
 このような背景から、5町が合併し、地域の特色ある魅力を一体化して増幅させ、域外に対する競争力をつけていく必要がある。それは高松市以東では香川県下で最初の市となる新市に、東讃の核としての着実な発展をもたらすものである。