志度自性院の僧竹林上人は、宝暦八年（1758年）、今のさぬき市井戸に生まれた。２８歳で第七世の自性院住職となったが、１年半後には隠居し、仏道の修行を積むとともに、説教弘法につとめた。

　上人は、儒仏両道に通じた他、絵画、俳句、和歌をよくした。竹をこよなく愛したことにちなんで、竹林上人と呼ばれた。特に、竹を題材とした水墨画は高く評価されている。晩年、志度の西南間川に万竹園を造り、独楽堂を建てて隠居した。その付近に仏の三十二相になぞらえて、３２の遊勝の地を造り、閑居清遊したことで知られる。死期を悟った上人は、竹林の地（志度駅の南西1.5ｋｍ、八丁地隠谷）で、自らかめに入り、あまたの信者や僧侶の読経が続く中、手にした鈴の音が絶えて入定された。そこに寛政十二年（1800年）、竹林廟が建てられ、後に上人を記念して廟前に竹林庵が建てられた。

　茶人でもあった上人の遺徳を偲んで、命日には竹林上人追悼茶会が毎年開催される。この茶会は、讃岐三大茶会の一つに数えられている。

　竹林庵の前には通称「通天モミジ」と呼ばれる樹高１０ｍのトウカエデがあり昭和６０年に香川県の保存木に指定されている。

竹林庵

さぬき市志度2811

JR志度駅から南西へ徒歩30分

(問)
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