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病院紹介

リハビリテーション技術科

平成24年2月、リハビリテーション室が新しくなりました。南西北に窓があり、明るく直線30mの歩行訓練エリアも整備され、広くなりました。また、リハビリ庭園も隣接し、屋外訓練もできるようになりました。
当院のリハビリテーション技術科は、理学療法士9名(うち、1名は認定糖尿病療養認定士)、作業療法士6名、言語聴覚士2名(うち、1名は日本摂食・嚥下リハ学会認定士)の計17名の技士と技術補助員1名がリハビリテーションに携わっています。

リハ室内①

リハ室内②

庭園

業務内容

理学療法

理学療法部門は、日常生活に必要な基本動作(起き上がる、座る、立つ、歩く等)の獲得を主な目的として、機能回復訓練を行っています。早期に機能回復が図れるように、病室においても、できるだけベッド上や車椅子で座ったりして身体能力の低下を防ぐよう努めています。

また、リハビリ訓練室においても、退院後に、できるだけ自立した生活が行えるよう自宅で実際に生活する場面を想定しながらリハビリを行っています。

訓練アプローチの中心的な考え方としては、躯幹(くかん)筋力を中心に強化することで、寝たことによる筋力低下をできるだけ少なくすること(廃用予防)に重点を置いています。

脳卒中片麻痺のリハビリの取組として、リハビリ開始時から、なるべくフリー起立(支えのない起立)でバランスに重点をおいた訓練を行います。

また、上肢は、肘伸展装具(肘を伸ばす装具)や腋窩(えきか)バンド(肩の亜脱臼(だっきゅう)防止バンド)を用い、上肢を振ることができる工夫をしています。

バランス重視の訓練効果としては、振れる程度によりますが、片麻痺歩行からの脱却ができます。

訓練風景①

訓練風景②

作業療法

作業療法部門は、日常生活動作(食事、排せつ、整容、更衣、入浴等)の獲得を目指しています。
特に、排泄動作の自立に重点をおき、実際のトイレを使用して、ズボンの上げ下ろしや便座への移動などの訓練を行います。そのほか、服を着替えたり、風呂に入ったりする時も自分でできるように介助器具の紹介などを行っています。

訓練風景③

訓練風景④

また、リハビリ訓練室では、ぬり絵、ちぎり絵、音楽鑑賞、ボール投げといった作業を行い、手指の細かな動きの練習をしたり、座っていられる時間を多くすることで寝たきり予防を行います。身体機能のみではなく、このような活動を取り入れることで、精神的な活性化や季節感の提供、単調な入院生活に変化を加えることなども目的としています。作業療法で獲得しなければならないADL動作は、種々ありますが、在宅では、特にニーズの多いトイレ動作の自立を最重要獲得課題として取り組んでいます。

脳梗塞(こうそく)後遺症の方の一例を紹介します。

在宅予定のため、ポータブルトイレ使用の訓練を行いました。その際、転倒する方向は一定であったために、転倒方向に大きなクッションを設置し、転倒による骨折を予防する工夫をしました。

現在、この方は、訪問リハビリを行っていますが、奥さんは、「夜トイレを自分でするので助かる。」といつも言われています。一度、本人が体調を崩し、ポータブルトイレが自分でできない時期がありました。その時は、夜間2~3時間ごとに奥さんが起こされたために、奥さんが睡眠不足になり体調を崩されたことがありました。

食事や更衣動作などは夜間に行わないことを考えると、昼夜のないトイレ動作は、在宅介護生活の可否を決定する大きな要因であると考えられました。

また、ポータブルトイレ動作は、起き上がりや移乗動作、また、下着の上げ下げ動作などが必要です。言い換えれば、これらの動作は、寝たきりを防ぐための基本的動作を全て網羅しているといえます。

作業療法

言語療法

言語療法1言語療法は、ケガや脳卒中などで、ろれつがうまく回らない(構音障害)、言われた事が理解できない・思ったとおりに話せない(失語症)、特定の認知機能に障害がある(高次脳機能障害)、食べ物がうまく食べられない(嚥下(えんげ)障害)などの方を対象に訓練を行っており、栄養サポートチームや嚥下(えんげ)チームに参加し、他職種とともに積極的に「口から食べる」ことをサポートしています。
また、小児では、言葉の発達に遅れがあるお子さんや幼い発音が治っていないお子さんを対象としており、絵カードやおもちゃを用いながら、お子さんが楽しみながらことばの発達を促せるように訓練を行っています。

言語療法2嚥下造影検査(VF)では、食物が口や喉をどのように通過しているのかをレントゲンで検査します。患者さんに応じて食べる姿勢や食物などの条件を変えて撮影し、嚥下機能が低下した方にも安全に食べられる方法を考えたりや嚥下リハビリテーションの立案に役立てます。

言語療法3嚥下チーム回診では、耳鼻いんこう科医師、看護師、管理栄養士及び歯科衛生士により病室まで訪問し、「口から食べる」ことを目標に積極的なサポートを行っています。

当院のリハビリの特徴

廃用予防への取組

平成18年度の診療報酬改定により、リハビリに日数制限が設けられました。このため、期間内にできるだけADL獲得の必要性に迫られるようになりました。

リハビリ方法の変更

急性期のリハビリは、まず関節拘縮予防と言われていますが、高齢者は、闇雲に関節拘縮予防に時間を費やすと廃用を起こす危険性があります。
そこで、当院では、廃用防止に重点を置き、できるだけ早期から座位や立位保持を獲得させ、部分的な訓練でなく、全身へアプローチする訓練法を行っています。

廃用予防への取組1一例を紹介しますと、80歳女性で大腿骨(だいたいこつ)転子部骨折などにより2箇月の間に起立不能など廃用を来した方ですが、膝の伸展筋である大腿四頭筋を強化する部分的な訓練でなく、背筋や殿筋も同時に収縮させて下肢伸展を行う訓練を行った結果、立ち上がりや移動動作が半月でできるようになりました。

フリー歩行の取組

リハビリの開始時からフリー起立などバランス訓練に重点をおいた訓練を行います。この訓練により、痙性のかなり強い方や高齢者で廃用のある場合を除き最終的には多くの方がバランスよく、歩くことが獲得できるようになっています。
また、上肢を振りやすくする肘装具や肩の亜脱臼を防ぎながら、上肢が振れる液窩バンドを作成し、使用しています。
バランス効果として、年齢が比較的若く、骨盤帯の安定が得られた方は、トイレや食事仕度などの起立動作の安定が得られるほか、上肢を振って歩けるために正常歩行に見える方、ランニングができるようになる方もいます。

フリー歩行の取組1

訪問指導

訪問指導1退院時には、理学療法士が在宅に訪問し、住宅改修などについてアドバイスを行っています。当院では、パソコンを使ってバーチャル的に住宅改修指導を行っているため、ご本人やご家族、ケアマネージャーなどからは、分かりやすいと喜ばれています。
当科では、理学療法士1名及び作業療法士1名が訪問リハビリ要員として専任しています。
なお、詳しい訪問リハビリテーションについては、こちらをご覧ください。

カンファレンス

リハビリカンファレンスとして、第1~3火曜日に、リハビリテーション専任医、主治医、看護師、ソーシャルワーカーなどが参加し、治療状況の報告などを行っています。リハビリカンファレンス以外には、毎週水曜日に開催される整形外科カンファレンスにも参加しています。
また、必要な情報については、毎朝のミーティングにてスタッフに伝達できるようにしています。

カンファレンス1

カンファレンス2

カンファレンス3

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